未来FTと過去FT
未来FTと過去FT
FT塾講師 神林 一隆
FTは「身体との会話である」とは入江先生の言葉ですが、
「FTは患者との対話」とも考えられます。
診断をして刺鍼する前に紙包磁石をツボに当てて、
補瀉を確認する事を予備治療と言いますが、
先生方は刺鍼する前に何手先まで治療を予測されますか?(未来FT)
鍼管のみをツボに当ててみた時に、身体は一瞬だけ刺鍼した後の状態を見せてくれます。
(これは最初に、鍼管を当てるだけで、刺鍼した結果が出るようにという設定をする事で可能になります。慣れれば毎回設定しなくても、自動的にそうなります)
この場合、ツボに対して意識を向けるのではなく、身体全体を見るよう心掛けて下さい。
どちらのツボを使うか迷った時などに利用出来ます。
片方のツボに鍼管を当て、百会、膻中などがstに変化するかも知れないし、
もう片方のツボに鍼管を当てると身体全体や四海がsmに感じるかも知れません。
後者のツボを選択する方が効果があるでしょう。
刺激過多などを防ぎ、シンプルな治療を選択出来ます。
さて、未来のFTが可能なら、
過去のFTも出来るかも知れません。
練習法として、
来院された患者さんをFT診断し、
治療前の状態をカルテに記入しておいたものを、
次回来院された時に、
心の中で「前回の施術前の状態を教えて」と
患者さんの身体に尋ねてFT診断し、
同じになったら過去のFT診断が出来た事になります。
(患者さんの身体に悪影響はありません)
そもそも、自分は何故こんな無駄と思える事をして来たのか。
実際に、過去の外傷やトラウマが、何年経っても影響し続けている事は多いと思います。
骨折をして、骨はくっ付いたとしても、
その時のショックは組織に残っている事もあり、
何十年も経過してからバランスを崩す事があります。
カナダの斉藤 哲朗先生の様に、
過去の病気や外傷を「ね」の音素で認識し、
治療をする事も大切です。
未来FT、過去FTを使って行くと、アーユルヴェーダなどで言うアストラル体、メンタル体なども体感し易くなります。
これは解剖学、生理学を学び、それを知識として持っている鍼灸師が、実践の中で目に見えない経脈や気を使って治療する上での一つの訓練になると思います。
また、予約時や患者さんに会った時に、最初に感じる直観は何よりも大切で、その直感をFTで判断する習慣は、直観を訓練する意味で至って重要な事です。