背骨の治療
背骨の治療
FT塾講師 神林 一隆
1つの方法として、背骨を中心とした治療法について書きます。
1 頚椎から尾骨までの棘突起をFTしてstな部位(数ヶ所あると思います)に印をつけます。
例えば 4ヶ所に印をつけたとしましょう。
一番stの強い棘突起を左→右 右→左に押圧します。
(持続的チャレンジ)左→右に押した時(棘突起が)st。
右→左に押圧した時にsmな場合、棘突起は正常な位置より右に回旋しています。
押圧により正常位置に戻った為smになったと判断します。
大事なのは此処からでその押圧した時に、残りの3ヶ所のstも同時にsmになるのが条件です。
もし、どこか1ヶ所でもstが残存していれば、最初に押圧した椎骨の棘突起は治療点にはなりません。
その場合2番目にstな棘突起を同じように右→左、左→右に押圧し 残り3ヶ所が
全てsmになる椎骨が治療点になります。
その棘突起の5分外側(岸膀胱経)の左右を比べてstの強い方に刺鍼します。1本の鍼で背骨のバランスが取れます。
2 膀胱経一行線の治療
膀胱経一行線は、鍼灸では重要な治療部位です。
兪穴があり、経脈病、臓腑病と深い関わりを持ちます。
腹部にある募穴との使い分けですが、比較的病が初期段階にある時は募穴の反応が強く、病が慢性化していたり、進行しつつある場合は兪穴に反応が出やすいようです。
左右の使い分けですが、右は気を治し、左は血を治すと古典にあります。
つまり機能の亢進、低下や知覚異常は右の穴を用いて、腫瘍や炎症など、形のある病気は左の穴を用いるという方法です。
もちろん、左右の兪穴に刺鍼しIPコードを結ぶ入江式補瀉治療は効果が高いです。また条件が揃えば任督脈の奇経治療を加えると、より効果があります。
3 二行線~外側
伏臥位で、背骨を中心に舟を漕ぐように揺らしながら、筋肉の凝りや圧痛、椎間関
節の動きなどを診ます。
それとFTを組み合わせて stな場所、硬結、圧痛のある箇所、又は 筋繊維の萎えた箇所を探します。
その中でも、どこに刺鍼するかは2つの基準で判断しています。
1つは刺鍼しようと思う箇所を押圧した時に、六部定位脈診部の脈 状がゆっくりになって整うかどうか。
もう一つは頸椎の1番2番に付着している大後頭直筋を蝕知して、同じように刺鍼しようとする箇所を押圧します。
大後頭直筋は筋硬膜橋を介して硬膜の状態を知る事ができます。
大後頭直筋が緩むようであれば、硬膜周辺を流れる脳脊髄液の状態が良くなり、免疫や自律神経に効果をもたらします。
この2つ(もしくは、どちらか)に反応した時に刺鍼しています。
臨床を繰り返す事で、このような縦割りの分類をしなくても良くなりますが、初期にはこのような手法も学びの一つになると思います。
〈 参考文献 〉
「 一生使える 鍼灸ノート 」 杉山勲著 源草社