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アプライドキネシオロジー(AK)を使った標治法の一考察

アプライドキネシオロジー(AK)を使った標治法の一考察

先日、村井 美佐夫先生からAKの考え方をFT治療に応用してみたらどうだろうと言うアドバイスを頂きました。

FTもOTも筋反射を利用した診断法である事は周知ですが、その考え方の元になったものがAKです。

創始者でカイロプラクターのジョージ・グッドハート氏によると、西洋医学の中に東洋医学の経絡の概念を取り入れたテクニックと言う事です。

AKで使われる用語

TP(セロピロカリゼーション)とは、FTでセンサーを当てた個所かstに感じる事。
OTで言うと、オープンになる事と同じ意味です。
(自分に合わないもの、身体の悪い場所に手を当てた時に筋力が下がる現象です)
チャレンジとは、TPで反応のあった関節や組織に負荷をかけ、その反射を診断する方法です。

背部の標治法として、今回は脊柱の椎骨にチャレンジを使い、FTで診断、治療をしてみました。

関節の構造を考える
チャレンジを行なう前に脊柱の関節の動き方を考えてみます。

●腰椎は上下の椎間関節を軟骨で覆われ、体幹に対しほぼ垂直に近い。
これにより回旋(椎骨が下の椎骨等の上で左右に回転する事)を主とした動きが中心になります。動きのある第5腰椎の関節突起は、他の腰椎に比べるとより幅広い形状をしています。

●胸椎は上下の椎間関節は、体幹に対し、約40~45度になっている。
胸椎は胸骨、肋骨と繋がっている為、実際の動きよりも制限される。回旋より側屈の動きが中心になります。

●頸椎は、C2~T1までの頸椎の関節面は、上下椎間関節の他に、小さなルシカ関節(鈎状関節)があります。鈎状突起は内上方を向いています。軟骨性の関節面を持ち、上位椎体下面の外上方を向いている軟骨性の半月状面と対応する。
内側で椎間板と連結して関節包に包まれている。頸椎各部における回旋は、常に側屈を伴う。
頸椎は側屈、回旋、屈伸の複合運動で、可動域を確保しています。

椎骨チャレンジ

脊柱の棘突起上(督脈)のstな箇所に印をつけます。

画像の説明

stが数ヶ所ある場合はstの一番強い物から診断していきます。
先述した頸椎、胸椎、腰椎の関節の動きを頭に入れた上で、棘突起を
左→右、
右→左へ一秒間押し、すぐ手を放します。
反射を見るテストなので、持続して押さないで下さい。

棘突起にかける圧は、約15gです。
分かり易く例えますと、L3がstだとします。これはL4に対し
L3がズレている可能性を示唆します。

どの方向にズレているのかを知る為に、棘突起を「テコの作用」として利用します。

棘突起がL4に対して左へズレている場合は、左から押し、離した後にFTするとstは強くなります。右から押し、離した後にFTするとsmになります。

考え方はこうです。
立位でいる人を左から急に押したとします。急に押された人は、倒れまいと反射的に右から左へ力を入れて姿勢を元に戻そうとします。右から押されればその逆に力を入れて身体を中心に戻そうとします。

棘突起が左にズレている場合は、急に左へ押された棘突起は、倒されまいと反射的に右に戻ります。
左にズレていたものが一瞬右に戻ると言う事は、L4に対しL3の「ズレ」が矯
正された事になります。

棘突起が左にズレている場合は、急に右へ押された棘突起は、倒されまいと反射的に左に戻ります。これは左へズレていた棘突起は余計左へズレてしまう為stは強くなってしまいます。

積極的に負荷をかけ棘突起が元に戻ろうとする反射をFTで診断します。
反射の時間は約15秒位です。

治療

鍼灸で施術する時は、ズレた方向に押されてsmになった棘突起がstに戻る時をとらえます。

15秒の反射が過ぎると棘突起は再度ズレ始めます。smからstになる時、棘突起周辺で、一番初めにstになる箇所(棘突起の右に出るか、左に出るか分からないので、S3のセンサーで広い範囲をみておいて、S1センサーで絞り込みます)に一本刺鍼します。

このstがズレの原因になっている事が多いです。
その箇所に置鍼をし、次にstの強い棘突起の所にチャレンジしていきます。
stの強い背骨を治療すると、他のstな棘突起もsmになる事があります。

それでも改善しない場合、

① 胸椎に多いですが、肋骨、胸骨が関与し、胸椎の動きが十分でない時があります。
患者さんに深呼吸をしてもらい、関節を動かした状態で、鍼の深さと方向を調整します。

② L5とC1 L4とC2 L3とC3 L2とC4 L1とC5 T12とT1
L3にstがあればC3も影響されている事があるので、この椎骨の鏡面パターンを利用し、治療を加えてみて下さい。

通常FTの標治法は、stな椎骨の岸膀胱経や、一行線、二行線に鍼を刺入し、IPを
かけます。
勿論、椎骨は矯正されますが、チャレンジをする事により、椎骨がどちらにズレているかが診断でき、鍼数も減らす事が出来ます。

症例

〔腰の痛み〕
平成30年3月 40代 男性
1週間前に自宅で荷造りをしている時に捻り負傷した。
姿勢変換時や屈曲時に痛みがあり、冷湿布と市販の鎮痛剤を
使ったが痛みが変わらないため来院された。昨日から左臀部
~大腿部にかけて痺れがある。
手掌診
花粉症(右迎香穴と右掌の花粉症の反応点にstがある)

画像の説明

治療【 右掌の花粉症の診断部位 】
左肝メイン、サブ無し ( 漢方治療原論よ
り )
左蠡溝、右外関に刺鍼しIP治療。
花粉症の治療 右肺経、大腸経のstにマグレインを貼り、補瀉を決め焼鍼治療。

標治法
背部L5>T11>T4>C4の強さでstがある。
一番stの強いL5の棘突起に印をつけ、左→右にチャレンジすると、stが強くなる。右→左
にチャレンジするとsmになる。
L5は左にズレている診断になる。

画像の説明

L5をS3センサーで包み込み、約15秒後にFTすると、L5棘突起の左外方2寸の位置から約5分下方にstがある。
寸6の3番にて、直刺でsmになるまで刺入した。
S3センサーでL5全体をFTし、smである事を確認し、置鍼した。

椎骨がズレる原因には二つあり、脊椎神経の支配を受けた靭帯の働きが低下して関節が位置を保持出来ない(靭帯のゆるみ過ぎ)場合と、筋肉靭帯が緊張し過ぎた場合があります。

L5は回旋した側の臀部と大腿部に痺れを出す事が臨床的に多い。
鍼灸治療では、椎骨周辺の椎骨静脈のうっ血を改善させると症状は良くなるようです。

次にstの強かったT11とC4はsmになっていたので、stの残っているT4にチャレンジを行なった。
左→右にチャレンジするとsmになった。

画像の説明

T4をS3センサーで包み込み、約15秒後にT4の(この時は棘突起の右)5分(岸膀胱経)にstの反応が表れたので、寸6の3番で下から上に向かって、椎骨の角度に沿った斜め45度の角度でsmになるまで刺入し、置鍼した。

約10分間の置鍼で脊柱全体はsmになったので、抜鍼し治
療を終えた。
翌日痛みが無くなったとの連絡がありました。

考察

AKを含め、カイロプラクティックでは、病気や痛みの一番の原因とされる椎骨をメジャーと呼びます。
メジャーの代償性作用としてズレた椎骨をフィクセーションと呼びます。

メジャーを見つける為に、100年以上の歳月に渡り、様々な検査法や治療法が研究されて来ました。
グッドハート氏が来日講演をされた時に、セミナーに参加いたしました。

TP、チャレンジでメジャーを診断し、ダイナミックな矯正(いわゆるバキッ)をしておられました。アプローチは個々によって違いますが、患者さんに対し、インテンション(意図)を持って施術する事が大事だと思います。

AKには指標筋と言って、内臓や経絡と、それに相応する筋肉を診断に使う事もあります。

例えば、胃は大胸筋と関係が深く、大腿直筋は大腸と関係が深いです。
AKに興味を持たれた方は、「シナプス」(栗原 修DC訳)と言う本がありますので、読んでみて下さい。

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